事例78 死亡事故事案(80代)において、死亡逸失利益や死亡慰謝料などについて訴訟手続きにより損害賠償金を約1.9倍増額させた事例
事例78 死亡事故事案(80代)において、死亡逸失利益や死亡慰謝料などについて訴訟手続きにより損害賠償金を約1.9倍増額させた事例
依頼者
交通事故によりお亡くなりになられた女性(80代)のご遺族
事案の概要
依頼者は、自転車走行中に交差点で交通事故に遭い、お亡くなりになられた女性のご遺族(相続人であるお子様)でした。
ご遺族は、事故後、加害者側の保険会社との間で賠償に関するやり取りを行ってきましたが、適正な賠償額を得るため、手続の一切を弁護士に依頼することを希望されましたので、当事務所で依頼を受けることになりました。
当事務所介入後、解決に至るまで
当事務所では、事件受任後、具体的な損害賠償額を算出し、加害者側の保険会社との間で交渉を行いました。
争点は、被害者に主婦としての休業損害や死亡逸失利益がどの程度認められるか、生前受給していた年金の死亡逸失利益がどの程度認められるか、死亡慰謝料の金額、過失割合などでした。保険会社が提示した金額は、一般的な裁判基準をベースとして当事務所が算定した金額と大きな開きがあり、示談交渉では大幅な増額は見込めないと考えられました。
そこで、早めの段階で訴訟を提起し、判決を見据えた主張立証を行いました。
被害者の事情としては、80代とかなり高齢であり、仕事には就いていませんでしたが、非常に健康であり、自転車に乗って単独で買い物や遊びに出かけるなど、生前は活動的な生活を送っていました。同居する長男夫婦とは家事を分担し、食事・洗濯・掃除等の基本的な家事は何でもこなしていました。その一方で、生活費の支出はそれほどありませんでした。
そこで、主婦としての休業損害・死亡逸失利益については平均年収の半額程度を基準とすべきであること、死亡逸失利益の生活費控除率(死亡により生活費がかからないためにその費用を控除するための割合)を高く認定したり、死亡慰謝料について低く認定すべき事情はないことなどを主張立証しました。
また、過失割合についても、被害者側に有利な事情について主張立証し、加害者側の主張よりも被害者の過失は低いという裁判所の心証を得ました。
その結果、損害賠償金を、加害者側の保険会社の当初提示額から約1.9倍増額させることに成功しました。
解決のポイント
相手方保険会社との交渉や訴訟手続について、弁護士がすべて代理して行うことにより、ご遺族の方の物理的・精神的負担をなくすことができた。
死亡逸失利益や死亡慰謝料などについて、専門家として主張立証を行い、最終的に損害賠償金を約1.9倍増額させることができた。
※本事例は当事務所で取り扱った事案をもとに記載されていますが、事案及び個人の特定がなされないよう、事実関係を一部変更または抽象化させていただいております。