事例69 死亡交通事故の被害者参加人代理人として刑事事件の段階から関与し、弁護士介入前の相手提案額から3カ月で、約2000万円の増額を認めさせた事例

死亡交通事故の被害者参加人代理人として刑事事件の段階から関与し、弁護士介入前の相手提案額から3カ月で、約2000万円の増額を認めさせた事例

事案の概要

相談者は、交通事故により死亡した被害者様のご親族でした。相手方より提案されていた書面を当事務所の弁護士が確認したところ、慰謝料の他、逸失利益の生活費控除の割合は、裁判所の認定するであろう、一般的な基準より低額であり、過失相殺の割合についても、定型的な交差点の事故を前提とした書籍に掲載されている基準では10%でしたが、特殊車両による事故であったことや、衝突から死亡までの一連の経緯をより具体的に主張すれば、被害者に有利な主張がなしうると考えられる事案でした。
そこで、まずは被害者参加人の代理人として刑事事件の段階から関与し、基礎となる事実関係について、被害者側にとって適切な事実認定がなされるように関与する方針でご依頼を受けることになりました。

解決までの流れ

刑事記録を閲覧したところ、過失相殺に関連する事情として、衝突後、直接の死亡の原因となったと推測される轢過に至る経緯を、より具体的に分析することで、類型化された過失割合の一般的な基準よりも、有利な認定を受けうるとの感触を強くしました。
そこで、公判担当検事と打ち合わせをし、被害者参加人弁護士として、主張してほしい事実関係を申し入れ、また、被告人質問の際にも、検事の想定していた質問以外に、具体的な質問事項を申し入れることで、被害者側に有利な事情を裁判所に認定してもらうことができました。
刑事事件確定後、あらためて認定事実を前提とした被害者としての主張を保険会社に対して展開した結果、当初は過失割合についても、交渉段階では10%は譲れないと主張していた保険会社側が譲歩する形になり、生活費控除の割合、慰謝料についても当方の主張を認めさせ、こちらの提案をベースに解決することになった結果、当初提案額よりも約2000万円増額させることに成功しました。

解決のポイント

① 過失割合が争点となる事案について、刑事手続の段階から関与して有利な認定となるように働きかけたこと。
② 生活費控除や慰謝料については、ご遺族の詳細な陳述書を作成し、裏付け資料も添付することで、相手保険会社がご遺族の主張を否定できない状況としたこと。


※本事例は当事務所で取り扱った事案をもとに記載されていますが、事案及び個人の特定がなされないよう、事実関係を一部変更または抽象化させていただいております。

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