243 急性副腎皮質不全 (きゅうせいふくじんひしつふぜん)
急性副腎皮質不全は、副腎の外傷を原因としたステロイド・ホルモン、コルチゾール不足で起こります。
副腎は腎臓の上に位置しており、副腎がコルチゾールのような糖質コルチコイド・ホルモンを産生しないと、ヒトの身体は正しい免疫反応ができなくなるのです。
必要な副腎ホルモンがない人は、ストレスに負けることがあります。
ストレスがたまると副腎はコルチゾールと呼ばれるホルモンを生成します。
コルチゾールはストレスに対する身体の反応を支えるもので、骨の健康、免疫反応、食物の代謝にも大切な役目を果たしています。
コルチゾール値が急激に下がると、吐き気や腹痛、嘔吐、発熱、関節痛、食欲不振、急激な血圧の変化、衰弱、悪寒、発疹、心拍数が高く不安定などの多様な症状が出現します。
急性副腎皮質不全は、アジソンクリーゼとも呼ばれ、重症の緊急事態です。
医師は、血液検査により、副腎ホルモンの値が正常であるかどうかを調べます。
血液検査で、好酸球増多、低血糖、血中コルチゾールが低値であれば、急性副腎皮質不全の可能性が高まります。
急性副腎皮質不全における後遺障害の後遺症害のポイント
1)交通事故では、肝損傷、腎臓破裂、副腎損傷となる複合損傷が予想されます。
その結果として、急性副腎皮質不全を発症されたとしても、副腎皮質ホルモン製剤の投与で改善が得られたときは、後遺障害は問題とならないことが通常です。
2)しかし、吐き気や腹痛、嘔吐、発熱、関節痛、食欲不振、急激な血圧の変化、衰弱、悪寒、発疹、心拍数が高く不安定などの症状が続き、改善が得られず、副腎機能検査で異常が認められ、副腎皮質ホルモン剤の継続的投与が続くときは、検査結果と症状を後遺障害診断書にまとめ、後遺障害を申請することになります。
一定の改善が得られており、今すぐ後遺障害の申請が不要なときでも、将来の可能性については、「副腎機能障害が発現したる際は、甲乙間で別途協議するものとする。」 この文言を、示談書に表記しておく必要があります。
この記事を書いた人
弁護士法人江原総合法律事務所
埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。