73 腰椎横突起骨折
衝撃の大きい追突や、衝突によるバイク・自転車からの転落で腰椎横突起骨折が発生することがあります。 腰椎には横突起という骨突起があります。 背筋の中に埋もれており、筋肉の力を腰椎に伝える役目を果たしています。
また、脊椎の横突起周辺には体幹を支え、姿勢を保持する重要な筋肉、大腰筋、腰方形筋が付着しているのですが、強力な外力によって無理な方向に筋肉が捻られたときに、横突起部での骨折が発生することがあります。
正面 背側
大腰筋は脊椎の横突起から股関節を超えて、大腿骨に付着しており、椅子に座った姿勢から、膝を上にあげる動作や、足が固定された状態で、体を起こすようなときに働きます。
また、脊椎を支え、姿勢を保持する作用があります。
腰方形筋は、下部肋骨と脊椎の横突起から骨盤にまたがる筋肉で、体を横に傾けるときに働きます。
L2の横突起骨折
レントゲン検査で発見できますが、CTであれば、より確実です。
症状は腰痛、圧痛、動作痛ですが、末梢神経を傷めることはなく、足のしびれや麻痺等の神経症状を伴うことは、通常、ないようです。
主体的な治療は、腰の安静で、コルセットや腰部固定帯で、骨折部位を固定します。
痛みを軽くするために、低周波の治療や湿布が並行的に実施されています。
腰椎横突起骨折による後遺障害のポイント
1)横突起骨折そのものが、後遺障害の対象になることは例外的です。
ただし、横突起部分が骨折するほどの衝撃を受けたことは事実であり、その周辺の末梢神経、神経根の障害の検討が必要です。
2)腰部のしびれや歩行障害が認められないときでも、慢性的な腰痛を残すことが予想されます。
骨折部が離開していなければ、骨癒合も期待できるのですが、筋肉に引っぱられて大きく離開しているときは、骨癒合の期待はできません。
骨癒合が得られなくても機能的な支障はありませんが、骨癒合不良が慢性腰痛の原因になることは十分予想されるのです。
そのときは、骨癒合状況をCTで立証し、痛みの神経症状で、14級9号、12級13号の認定の可能性を探ります。
この記事を書いた人
弁護士法人江原総合法律事務所
埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。