66 腰椎分離・すべり症
CTで、上下の関節突起の中央部が断裂しています。
分離症は、椎弓の一部である上下の関節突起の中央部が断裂しており、連続性が絶たれて、椎弓と椎体、つまり、背骨の後方部分と前方部分が離れ離れになった状態です。
原因は、先天性と後天性があるとのことですが、身体が柔らかい中学生頃に、ジャンプや腰の回旋を繰り返し行うことで、で腰椎の後方部分が疲労骨折したのではないかと推定されており、日本人の5~7%に分離症があると言われています。
ところが、大多数は、分離症があっても、痛みもなく、通常の日常生活を続けています。
ところが、ここに交通事故受傷の衝撃が腰部に加わり、椎体が前方向にすべり、分離すべり症となります。分離は、事故前から存在したもので、それを原因としてすべり症となったのです。
分離すべり症のほとんどは、L5に発生するようです。
ケースによっては、神経の圧迫を除去する椎弓切除術、脊椎固定術が実施されます。
腰椎分離・すべり症における後遺障害のポイント
1)素因減額
事故前には、これといった支障もなく、普通に日常生活をしていたのですが、画像で分離症が確認されている限り、既往歴と判断されることになります。椎弓切除術、脊椎固定術が実施されても、脊柱の変形で11級7号が認定されることは難しいといえます。
2)痛みの評価
保存療法、オペにかかわらず、L5に疼痛を残す被害者では、3DCT、MRIで骨癒合を明らかにして、痛みの神経症状を後遺障害診断書で明らかにしています。
このケースでは、14級9号が認定されています。
この記事を書いた人
弁護士法人江原総合法律事務所
埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。