42 手指屈筋腱損傷

 

後遺障害42.gif
手の掌側にある屈筋腱が断裂すると、筋が収縮しても、その力が骨に伝達されないので、手指を曲げることができなくなります。

切創や挫創による開放性損傷、創のない閉鎖性損傷、皮下断裂がありますが、圧倒的に前者です。

屈筋腱の損傷では、同時に神経の断裂を伴うことが高頻度で、そんなときは、屈筋腱と神経の修復を同時に行うことになり、専門医が登場する領域です。

 

手指の屈筋腱は、親指は1つですが、親指以外では、深指屈筋腱と浅指屈筋腱の2つです。

親指以外で、両方が断裂すると、手指が伸びた状態となり、まったく曲げることができなくなります。

 

深指屈筋腱のみが断裂したときは、DIP関節だけが伸びた状態となり、曲げることができません。

しかし、PIP関節は、曲げることができるのです。

 

屈筋腱損傷の治療は、手の外傷の治療のなかで最も難しいものの1つで、腱縫合術が必要です。

年齢、受傷様式、受傷から手術までの期間、オペの技術、オペ後の後療法、リハビリなどにより治療成績が左右されます。

治療が難しい理由には、再断裂と癒着の2つの問題があります。

オペでは、正確かつ丁寧な技術が求められ、オペ後の後療法も非常に重要となります。

 

この記事を書いた人

弁護士法人江原総合法律事務所

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