2 外傷性頚部症候群の神経症状について

ポイント2図1.gif
頚椎、cervical spineは、Cで表示、C1~C7と呼びます。
人間の頚椎は、7つの椎体で構成されており、頭部を支える役目を有しています。
そして、外傷性頚部症候群の神経症状とは、左右いずれかの頚部、肩、上肢から手指にかけての痺れです。
もっとも、痺れといっても、14級9号のレベルであれば、それほど深刻なものではありません。

外傷性頚部症候群で注目すべきは、C5/6、C6/7の神経根に限られています。
脊髄から枝分かれをしたC5/6、C6/7の左右2本の神経根は、左右の上肢を支配しているからです。
C5/6右神経根が圧迫を受けると、右手の親指と人差し指に、C6/7では、薬指と小指に痺れが出現するのです。

XPやCTは骨を見るためのもので、神経根が確認できるのは、MRIだけです。

ポイント2図2.gif

 

受傷後に撮影したMRIで、C5/6/7の神経根の通り道が狭まっているとか、明確に圧迫を受けていることが、MRIの画像から確認できたときは、自覚症状に一致した画像所見(他覚的所見)が得られたことになります。
後遺障害の認定にとっては、訴える症状と、画像上想定される症状の一致が非常に重要なポイントになります。
そのため、早期、具体的には、受傷から2ヶ月以内に、MRIの撮影を受けてください。

外傷性頚部症候群における後遺障害のポイント

1)MRIの画像で注目すべき箇所は、C5/6とC6/7の画像部分です。
外傷性頸部症候群における自覚症状と、一致するMRI所見が得られるのは、C5/6/7であるからです。

2)4つの必要十分条件?
一般的には、下記のような条件を備えているかどうかが一つのポイントになると考えます。
ただし、あくまで一つのポイントであり、これらの内、一部が欠けていても、後遺障害が認定されるケースもあります。

①車VS車の衝突では、軽微ではない物損被害の発生
②事故直後からの症状の出現、早期、2カ月以内のMRI撮影
③6カ月間の真面目な整形外科通院、
④紳士的、常識的で信憑性が感じられる療養態度

3)損害賠償は、交通事故を専門的に扱っている弁護士事務所にご相談ください。
専業主婦が被害者となる事案でも、過失相殺が無い事案では、弁護士が交渉すれば、治療費を除き、14級9号で320万円、12級であれば、735万円程度がメルクマールとなります。
かかる金額の獲得は、後遺症の認定を前提に、さらに、裁判で適用される地方裁判所支払基準で示談交渉を進める必要があります。

この記事を書いた人

弁護士法人江原総合法律事務所

埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。

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