事例24 脊柱の変形障害で、11級7号の後遺症認定を受けた事案につき、訴訟提起後、相手方から、労働能力喪失率がほとんど無い事を前提にした和解案の提示を受けた事案について、労働能力の一部喪失を前提に、相手方代理人の提示額の約三倍の金額で和解をした事例
事例24 脊柱の変形障害で、11級7号の後遺症認定を受けた事案につき、訴訟提起後、相手方から、労働能力喪失率がほとんど無い事を前提にした和解案の提示を受けた事案について、労働能力の一部喪失を前提に、相手方代理人の提示額の約三倍の金額で和解をした事例
事案の概要
事故当時、高校生であった被害者が、自転車運転中、交差点で四輪車に衝突され、脊椎の圧迫骨折等の傷害を負い、脊柱の変形障害を理由として後遺症等級第11級第7号の認定を受けた。
この時点で当事務所が依頼を受け、労働能力の一部喪失を前提に、裁判所に損害賠償の訴訟を提起した。
相手方は、弁護士を付けて労働能力の喪失が無いことや、治療期間が長すぎる等、当方の請求を全面的に争ってきた。
裁判では、被害者は、高校を卒業し、当初予定していた就職先に無事就職できたことや、特に賃金上の不利益を被っていないことから、労働能力の喪失の有無が大きな争点となった。
相手方は、医者の意見書を複数提出する等して争ってきたため、当方も、訴訟提起後、主治医を訪問し、腰部、胸部の可動域について測定した結果を作成してもらう等証拠を補強し、将来的な減収の可能性も主張した。
訴訟の終盤に和解の協議となったが、相手方が提案してきた和解内容は、労働能力の喪失を、5%、期間も5年程度を前提にしたものであり、到底受けいれられるものではなかった。
そこで、証人尋問まで行い、具体的な現在の症状等を、証言してもらい、最終的に裁判所から呈示された和解案は、ある程度当方の主張を認めた上で、相手方代理人の呈示額の3倍の金額が提示されたため、和解が成立した。
なお、過失割合についても争点となったが、過失相当部分については、訴訟で認定された損害額を前提に、過失に相当する部分の全額が人身傷害保険から支給された。
ポイント
①脊椎の圧迫骨折については、労働能力の喪失率、喪失期間が大きな争点となる。
②具体的な減収等が無くても、主張立証によっては、労働能力の喪失を認めた上での解決が可能となる。
③過失割合が争点となる事案で、人身傷害保険が適用される事案においては、人身傷害保険からの保険金の受給等との兼ね合いで、訴訟を提起した方が良い事案が多い。
* 上記はあくまで最近の解決事例の一例です。
* 全ての事案について同様の結論を保証するものではありません。
※本事例は当事務所で取り扱った事案をもとに記載されていますが、事案及び個人の特定がなされないよう、事実関係を一部変更または抽象化させていただいております。
- 事例81 死亡事故において過失がないとする相手方の主張を避けた事例
- 事例80 歯牙欠損に関して訴訟を提起し、インプラントの将来治療費を認めさせ、こちらの主張する過失割合で和解した事例
- 事例79 プラトー骨折の事案において、後遺障害14級9号に異議申し立てを行い、12級13号を獲得した事例
- 事例78 死亡事故事案(80代)において、死亡逸失利益や死亡慰謝料などについて訴訟手続きにより損害賠償金を約1.9倍増額させた事例
- 事例 77 主婦のむち打ち事案において、治療費打ち切り後の治療の正当性が認められ、相手方保険会社が否認していた休業損害についても支払いを受けることに成功した事例
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- 事例74 いわゆるむち打ち(頚椎捻挫・腰椎捻挫)損傷の事案において、後遺障害14級9号を獲得し、損害賠償金約400万円(自賠責回収分も含む。)を回収した事例
- 事例73 損害額総額 治療費含め総額約486万円を認めさせた事例
- 事例72 坐骨骨折などの傷害を負った事案につき、後遺障害等級14級を獲得し、交渉段階において、裁判基準による和解(既払い金や自賠責分を除き約500万円)に成功した事例