キーンベック病=月状骨軟化症
キーンベック病は、月状骨無腐性壊死・月状骨軟化症とも呼ばれており、外傷後だけでなく、振動ドリル等で手を酷使する人、大工、農林漁業などで、手をよく使う人にも発症しています。
月状骨は、周囲が軟骨に囲まれており、血行に乏しく、容易に壊死するのです。
交通事故では、前腕骨、橈骨、尺骨の脱臼や骨折により、2つの骨のバランスが崩れ、手関節内で月状骨にかかる圧力が強くなり、二次的障害として発症しています。
また、月状骨の不顕性骨折を見落としたことで、キーンベック病を発症することも予想されます。
専門医でなければ、検査をすることもなく、「腱鞘炎でしょう?」と放置されることも多いのです。
末期の月状骨は、潰れて扁平化します
症状は、手首の疼痛、痛みを原因とした手関節の可動域制限、握力の低下です。
月状骨が潰れる外傷で、初期では、血行不良により、XPやMRIで月状骨の輝度変化が出現します。
末期には、無腐性壊死となり、潰れて扁平化します。
軽症では、サポーターの装用や、手を休ませることで、改善が得られます。
重症例では、橈骨、尺骨のバランスを整える骨切り術が行われています。
キーンベック病=月状骨軟化症における後遺障害のポイント
1)専門医が適切に対処したときは、後遺障害を残すことなく、改善が得られています。
2)症状を訴えても、単なる腱鞘炎とされ、検査もしないで放置されたり、XP検査は実施したが、MRIの撮影を怠り、月状骨の不顕性骨折が見落とされると、後遺障害が残る可能性が高まるのです。
3)経験則では、手関節の可動域制限で12級6号が認定されています。手関節の可動域が2分の1以下に制限されたときは、10級10号の認定を受ける可能性がもありますが、骨切り術も検討することになります。
この記事を書いた人
弁護士法人江原総合法律事務所
埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。