128 膝蓋骨々軟骨々折とスリーブ骨折
膝蓋骨の裏の軟骨面は、大腿骨の前面の軟骨と関節を形成しています。
これを、膝蓋大腿関節と呼びます。
膝蓋骨々軟骨々折は、若年の女性に多く、膝蓋骨脱臼に伴うもので、膝蓋骨の内側に小さな軟骨片が残置しています。膝蓋骨が脱臼するとき、元の位置に戻るときに、大腿骨の外側の突起と膝蓋骨が衝突し、こすれあって、膝蓋骨軟骨々折が起こるのです。
手術により、骨片を元の位置に戻すか、除去して固定します。
スリーブ骨折は、10歳前後のサッカー、野球少年に多い膝蓋骨下端の剥離骨折で、骨片が小さく見逃されることが多いので要注意です。
治療としては、保存的にギプスによる外固定が行われているようです。
膝蓋骨骨折、膝蓋骨脱臼、膝蓋骨々軟骨々折における後遺障害のポイント
1)一般的には、膝蓋骨骨折で後遺障害を残すことはほとんどありません。
2)ただし、膝蓋骨骨折後の骨癒合状況および軟骨損傷が残ったため、可動域に制限が残る場合、これらの原因を医学的に立証できれば、機能障害として12級6号、もしくは神経症状として12級13号、14級9号が認定される可能性があります。
3)変形骨癒合は、3DCT、軟骨損傷はMRIで立証します。
交通事故では、膝蓋骨に対する直撃、直達外力で骨折や脱臼を発症しています。
膝蓋骨が骨折するほどの衝撃を受けていれば、その裏側の軟骨が損傷していても、なんの不思議もありません。症状が疑われる時は、専門医の診断を受けるべきでしょう。
この記事を書いた人
弁護士法人江原総合法律事務所
埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。