306 足関節果部脱臼骨折、コットン骨折
足関節は、????骨と腓骨で形成されるソケットに、距骨がはまり込むことで構成、成立しています。
踵骨は、????骨、腓骨と靭帯でつながっており、広義には、足関節は、????骨、腓骨、距骨、踵骨の4つの骨で構成され、成立しているのです。
足関節内果とは、????骨の遠位端部、内側の梅干し、外果とは、腓骨の遠位端部、外側の梅干しのことですが、これらの骨折に加えて、????骨関節面の後縁、または前縁のいずれかの骨折を合併したものをコットン骨折=三果部骨折といい、足関節脱臼骨折の重症例です。
????骨関節面前縁部骨折の合併では、足関節の背屈が強制されることにより、距骨が前方に脱臼し、????骨関節面後縁部骨折の合併では、足関節底屈が強制されることで、距骨が後方に脱臼します。
交通事故受傷によるコットン骨折では、足関節が大きく内・外転することにより、骨折以外にも足関節周囲の靱帯損傷を合併します。
その結果、骨折の状態や転位の程度により異なりますが、足関節部に痛みや腫れ、皮下出血、外反変形や内反変形など病態は様々な組み合わせとなります。
診断は、足関節の腫れ、圧痛、変形、皮下出血をチェック、骨折は、XPで確定します。
粉砕骨折では、CT、特に3DCTやMRI撮影が必要です。
足関節の運動は、つま先を上げる背屈、つま先を下げる底屈、内側につま先を向ける内転、外側につま先を向ける外転、足を内側に捻る回内、足を外側に捻る回外の4運動です。
内転・回外・底屈の3つの動きを1つにしたときは内返し、逆に、外転・回内・背屈の3つの動きを1つにしたときは、外返しと呼んでいます。
内側・外側への衝撃により足首を骨折したときは、腓骨の下端と脛骨の下端が骨折し、三角靭帯や踵腓靭帯も断裂して、距骨が異常に内転・外転したりします。
難治性疼痛症候群、CRPSカウザルギーを惹起しやすい部位でもあります。
コットン骨折における後遺障害のポイント
1)交通事故では、バイクVS自動車の出合い頭衝突で、お互いにスピードを出している高エネルギー外傷により、バイクの運転者に発症することがほとんどです。
ギプス固定期間は、通院実日数としてカウントされますが、PTB装具もギプス固定に該当します。
治療先の診断書には、下から2行目にギプス固定期間を記載する欄があります。
退院後、PTB装具で過ごしている期間は、ギプス固定期間となり、通院実日数にカウントされます。
3)コットン骨折では、
①完璧な整復
②強固な固定
③早期からの理学療法の開始
これらが、絶対に必要です。
これらの3点がおざなりにされると、
①腓骨短縮
②内果変形治癒
③距骨脱臼遺残
④靭帯機能不全
等々の後遺障害を残すことになります。
この記事を書いた人
弁護士法人江原総合法律事務所
埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。