292 眼窩底骨折 (がんかていこっせつ)
眼窩下壁が骨折して、眼窩脂肪が飛び出している、
ブローアウト、吹き抜け骨折とも呼ばれる、特殊な顔面骨の骨折です。
眼球が入っている骨の窪みを眼窩といいますが、この眼窩の入り口部分は頑丈にできていますが、その奥の眼窩壁の鼻側~下壁部分は、薄い骨でできているのです。
目に強い衝撃が加わると、眼の周囲の骨は持ちこたえても、弱い眼窩壁が骨折するのです。
骨折部からは眼窩内の脂肪組織や眼を動かす筋肉などがはみ出すことにより、
①眼球陥没、
②眼の動きが悪くなり、モノが二重に見える複視、
③眼窩下壁の知覚神経損傷では、頬~上口唇の感覚が麻痺、
CTで、骨折の状況を確認、眼球陥没や眼球運動障害の程度から、オペが判断されています。
眼窩底骨折における後遺障害のポイント
1)眼窩底は厚みが薄く、紙に例えられており、篩骨は、外傷によって容易に骨折するのですが、一方では、これにより、眼球破裂を回避しているのです。
しかし、眼窩底の重度な粉砕骨折では、修復がなされても、複視の後遺障害を残すことがあります。
2)複視は、正面視での複視と左右上下の複視の2種類があります。
検査には、ヘスコオルジメーターを使用し、複像表のパターンで立証します。
正面視の複視は、両眼で見ると高度の頭痛や眩暈が生じるので、日常生活や業務に著しい支障を来すものとして10級2号の認定がなされます。
左右上下の複視は正面視の複視ほどの大きな支障は考えられないのですが、軽度の頭痛や眼精疲労は認められます。
この場合は13級2号の認定がなされます。
この記事を書いた人
弁護士法人江原総合法律事務所
埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。