245 女性の生殖器

女性の内性器は、膣、子宮、卵管、卵巣で構成されています。

腟は、性交時では、精子が放出される部位ですが、出産時には胎児が出ていく経路、産道の一部となります。子宮は、受精卵が胚から胎児へと成長していく部位であり、卵管は、精子が卵子と出合い、ここで受精が起こります。卵巣は、卵子が作られ、放出される臓器です。

交通事故で想定される女性生殖器の外傷としては、

男性に比較すれば、圧倒的に少数例ですが、自転車、バイクの転倒事故による外陰部の打撲、骨盤の多発外傷による卵巣の破裂、卵管に閉塞や癒着を残すもの、子宮頚管に閉塞を残すもの、子宮を失ったものが発生する可能性があります。

 

女性、生殖器外傷による後遺障害の後遺症害のポイント

 

男性と女性の生殖器には、性差が大きいものの、発生的には同じ原基から作られており、男女生殖器の各部の間には相同関係が認められています。

 

※相同

生物の器官で、相異なる形態と働きを示していますが、発生起源が同一であるときの相互の関係を相同と呼んでいます。例えば、卵巣と精巣は、相同関係にあります。

 

そこで、男性と同じく、生殖器外傷に伴う後遺障害については、以下の3つに分類されています。

1)生殖機能を完全に喪失したもの、

2)生殖機能に著しい障害を残すもの、

3)生殖機能に障害を残すもの、

4)生殖機能に軽微な障害を残すもの、

 

1)生殖機能を完全に喪失したものは、準用7級相当が認定されています。

①両側の卵巣を失ったものは7級相当、

 

②常態として卵子が形成されないものは7級相当

これは、女性で2.5グレイ以上の大量の放射線被爆を前提としたもので、交通事故では、全く、想定されていません。

 

2)生殖機能に著しい障害を残すものは9級17号が認定されています。

 

3)生殖機能に障害を残すものは、11級10号が認定されます。

 

比較的狭骨盤、または狭骨盤であると医師により認められるものは、11級10号、

 

交通事故外傷により骨盤骨折となると、骨盤の変形により産道が狭窄することが予想されます。

妊娠の機能には問題がないものの、産道が一定程度以下に狭窄すると、経膣分娩=正常分娩が困難となり、帝王切開の対応が必要になります。

 

交通事故外傷により、骨盤骨が変形を来しとときは、その他の体幹骨の著しい変形障害で12級5号が認定されることがあります。生殖器の障害とその他の体幹骨の障害は、同一の原因によるものであり、いずれか上位の等級、本件では11級10号で認定されることになります。

 

比較的狭骨盤とは、産科的真結合線 10.5㎝未満9.5㎝以上、入口部横径 11.5㎝未満10.5㎝以上、

狭骨盤とは、産科的真結合線 9.5㎝未満、入口部横径 10.5㎝未満のいずれかの要件を満たすものを言います。

 

4)生殖機能に軽微な障害を残すものは、13級相当が認定されます。

 

上記をまとめます。

 

 

 

男女をまとめます。

 

 

 

 

この記事を書いた人

弁護士法人江原総合法律事務所

埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。

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