234 尿管、膀胱、尿道

 

 

腎臓が、老廃物をこしとって尿を作ることについては、説明しました。

今回は、尿を膀胱に送る尿管、尿を一時的に貯める膀胱、尿を排泄する尿道について解説します。

 

その前に、尿は、どのように作られているのか?

どのような過程をたどって、体外に排泄されているのか? 少し触れておきます。

 

ヒトは、空気を吸入して肺に取り込んだ酸素と、食事で、主に小腸から吸収した栄養分を血液の中に送り込んで、身体中の細胞に運び、供給を続けています。

細胞は、酸素や栄養分の供給がなければ、死滅することになり、ヒトも生存できません。

血液は、酸素や栄養分を身体中の細胞にくまなく届ける、大変重要な役目を果たしているのです。

 

血液には、もう1つの重要な役割があります。

それは、身体中の細胞から、不要となって捨てられたものを回収して、腎臓に送り込むことです。

腎臓では、血液中の不要なもの=老廃物を、こし取って、ろ過しています。

これは原尿とよばれ、大人では1日、ドラム缶1杯、150lにもなります。

 

 

原尿の内、水分の大部分は尿細管、集合管で再吸収され、尿は、濃縮されているのです。

利用できる成分=水分、塩分、ブドウ糖、アミノ酸などは、再利用のため体に戻されています。

本当に不要なもの=老廃物だけが、尿となり、尿管を通って膀胱に貯められるのです。

ヒトは、血液中に捨てられた不要なものを、尿として、体外に排泄しているのです。

 

腎臓は、絶え間なく尿を作っていますが、そのまま排泄されると、通常生活が維持できなくなります。

ですから、膀胱は、腎臓で作った尿を貯めておく袋の役目を果たしています。

そして、尿がある程度貯まったら、体外に排泄することになります。

 

※尿路、尿の流れ

左右の腎臓から尿管、膀胱、尿道に至る尿の通り道を、尿路と呼びます。

尿は2つの腎臓で絶え間なく作られ、尿管を通って膀胱へと流入しています。

そして膀胱から尿道を通り、男性では陰茎、女性では外陰部を経て体外に排出されています。

 

※尿管

尿管は長さが30~40cmの筋肉の管で、その上端は腎臓、下端は膀胱につながっています。

腎臓でつくられた尿は、尿管を通って膀胱に流れ込みます。

尿管は膀胱壁の部分で括約筋を貫通しており、この括約筋は輪状の筋肉組織で、カメラの絞りのように開いて尿を通過させ、尿が通過すると、ピッタリ閉じるという働きをしています。

 

※膀胱

膀胱は伸縮性のある筋肉でできた袋状の器官で、尿管を通って流れてきた尿は膀胱にたまります。

膀胱は500mlの容量を有していますが、尿の量に応じて徐々に膨張します。

膀胱に300mlの尿が貯まると、神経信号が脳に送られ、排尿が必要であることを伝えます。

 

膀胱の出口は尿道につながっていて、出口にある括約筋が開くと、尿は膀胱から流れ出ていきます。同時に膀胱壁が自動的に収縮し、その圧力によって尿は尿道の中を下方へ押し出されていきます。

腹壁の筋肉が自発的に収縮することで、さらに圧が加わります。

尿管から膀胱への入り口にある括約筋はしっかりと閉じたままで、尿が尿管を上がり、腎臓の方へ逆流するのを防止しています。

 

※尿道

尿道は、尿を膀胱から体の外に排出する管です。

男性では、尿道の長さは16~20cmで、陰茎の先端部で、女性では3~4cmの長さで、外陰部で終了しています。

 

この記事を書いた人

弁護士法人江原総合法律事務所

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