203 横隔膜の仕組み
ヒトは、生きるために、呼吸を続けなければなりません。
呼吸とは、口・鼻から入った空気を肺に送り込み、空気中の酸素を血液の中に取り込み、燃えカスとなった二酸化炭素を排出することです。
ところが、肺には筋肉がないので、自力で膨らませる、縮ませることができません。
では、どうやって肺呼吸は行われているのか?
肋間筋、頚部や腹部の筋肉もサポートしているのですが、主体的には、横隔膜の筋肉の働きにより、肺呼吸が行われているのです。
横隔膜は、胸骨、肋骨、脊椎からなる胸郭、つまり籠型の骨組みの底面に付着しています。
ドーム状の薄い膜の筋肉で、胸腔と腹部を仕切る蓋の役目を果たしています。
横隔膜が縮んで下がると、胸腔がふくらみ、肺の中に空気が入って息を吸うことができます。
反対に横隔膜が伸びて上がると胸腔はしぼみ、肺の中の空気が排出されるのです。
交通事故では、胸部に対する強い打撃により、横隔膜が破裂することがあります。
重篤な傷害ですが、発見が早ければ、オペで一定の改善が得られます。
もう1つは、横隔神経の切断です。
横隔膜の筋肉は、頚椎、C3=横隔神経により支配されています。
上位頚髄損傷で、横隔神経が切断されると、自力呼吸ができなくなり、人工呼吸器=レスピレーターの装着が余儀なくされます。
上位頚髄損傷では、四肢体幹麻痺を伴い、自力で体動することができません。
常時、介護が必要な状態となり、別表Ⅰの1級1号が認定されますが、循環不全により、長生きは期待できない深刻な外傷です。
この記事を書いた人
弁護士法人江原総合法律事務所
埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。