178 ショーファー骨折=橈骨茎状突起骨折
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赤○は橈骨茎状突起、青○は尺骨茎状突起
ショーファー骨折とは、橈骨茎状突起部の手関節内骨折であり、運転手骨折とも呼ばれています。
交通事故では、運転手がハンドルを握った状態で骨折することが多く、この別名がついています。
自転車で横断中、自動車との衝突で、手のひらをついて転倒したときにも、この骨折が起こります。
受傷機転が、手関節の背屈・橈屈強制で起こり、茎状突起が舟状骨と衝突します。
よって、舟状骨骨折も視野に入れて治療が行われています。
橈骨茎状突起部は、手関節を構成している骨であり、元通りの位置に整復されなければなりません。
それを理由として、現在では、ほとんどでオペが選択されています。
しかし、交通事故による粉砕骨折では、オペであっても安定性が得られず、予後不良です。
つまり、変形性手関節症に発展する可能性が予想されるのです。
ショーファー骨折における後遺障害のポイント
1)骨折後の骨癒合が得られていても、手関節として整合性が保たれているかを、検証しなければなりません。
骨折部の骨癒合状況は、3DCTで立証します。
手関節のアライメントは、左右の手関節の背側・掌側のXP写真を比較しつつ検証します。
変形性手関節症は、受傷後の二次的障害です。
症状固定時には問題とならなくても、時間の経過で発展することが予想されます。
和解する際には、将来、別途後遺障害が発生した時には、別途賠償をする旨を付記しておくと安全です。
2)当面の後遺障害の対象は、手関節の機能障害となり、多くは、12級6号が認定されています。
3)ショーファー、Chauffeurとは、お抱え運転手を意味しています。
昔、クランクバーを回転させて車のエンジンをかけていた時代に、エンジンの始動用のハンドルの蹴り返しで、この骨折が頻繁に発生したそうで、ショーファー骨折は、そこから名付けられています。
この記事を書いた人
弁護士法人江原総合法律事務所
埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。