17 手根骨の骨折 舟状骨々折(しゅうじょうこつこっせつ )

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舟状骨(しゅうじょうこつ)は親指のつけ根に存在しています。

親指のつけ根が痛んだら舟状骨骨折、小指のつけ根が痛んだらTFCC損傷を疑います。

転んで手のひらを強く突くと、手関節を構成する手根骨の一つ、舟状骨が骨折することがあります。

交通事故では、自転車とバイクの運転者が被害にあった際に、被ることのある損傷です。

 

舟状骨は手関節にある8つの手根骨の1つで親指側にあり、手根骨の中でも重要なものの1つです。

船底のような彎曲をしているので船のような形の骨ということで舟状骨と呼びます。

舟状骨は、親指の列にあり、他の指の列とは45°傾斜して存在しています。

そのため舟状骨の骨折は、通常のXPでは骨折は見えにくく、見逃されることが多いのです。

XPよりも、CTが診断には有用です。

 

舟状骨は血液の流れが悪いため、骨が付きにくい、偽関節になりやすい特徴があります。

骨折と骨の血行状態を知るには、MRIが役立ちます。

 

舟状骨骨折における後遺障害のポイント

 

1)放置しておくと、因果関係に疑問を呈される

症状は、手関節を動かすと痛みが強く、手のひらの親指側を押すと痛みが出現、握力は低下します。

ところが、耐えられない激痛ではないため、また、画像によってもわかりにくいことが多いために、医師も見逃すことがあります。

45カ月を経過し、症状が改善しないことから、手の専門外来を受診し、舟状骨骨折と診断されても、損保料率機構調査事務所の審査においては、本件事故との因果関係が疑れます。

初診時のカルテに、右手打撲などの傷病名がなく、自覚症状の記載もなければ、自賠責の等級認定には、暗雲が立ちこめます。

ようやく骨折が発見されがのに、因果関係が否定され、非該当とされてしまう可能性が高いと言えます。

このような場合には、もはや訴訟によっての解決という他ないという状況になります。

 

受傷後、手首の痛みが、なかなかとれないときには、急いで専門医を受診すべきでしょう。

 

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2) 症状固定をするか、手術をするか

受傷直後に手術を受けたものは、6カ月後の残存症状で後遺障害を申請することになります。

骨折部に痛みを残しており、変形骨癒合が確認できれば、149号の認定となるのが通常です。

もっとも、一般的には、手術までは行わず、ギプス固定で保存的に治療が行われます。

この骨折の固定期間は、610週間と長期間となるため、手関節の装具をつけることもあります。

ところが、保存的に治療しても、XPで骨の吸収が強く、骨片がずれているものは、「偽関節となるので、手術で固定すべきか」治療方針が問題となります。

6カ月の時点で、126号に該当する機能障害を残していれば、後遺障害の申請を行うことも検討すべきでしょう。

 

 

一般的な裁判所の基準による等級別損害賠償額の比較 (単位 万円)

等級

後遺障害慰謝料

逸失利益

合計

149

11040

185 (65

295 (105

126

290100

947518

1237618

男性35歳、基礎年収480万円、過失相殺等の議論がない事案で積算したものです。

あくまで一般的な事例です。

(   )は、任意保険基準の一例です。

 

任意保険の担当者にもよりますが、言われたとおりに示談するならば、105万円、126号でも618万円程度にとどまることが多いと思います。

上記事例では、弁護士が交渉することにより、149号でも295万円、126号であれば1237万円程度が獲得水準となってきます。

 

 

この記事を書いた人

弁護士法人江原総合法律事務所

埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。

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